少し回復に向かっていた腰痛だったが、昨日仕事で長時間の会議に出たことでまた急激に悪化してしまった。昨夜からの激痛で身体が弱ってしまい仕事も手につかない一日。人間は身体が弱ると過去や好きだったことを思い出すのかもしれないが、ずっと頭に浮かんでいたのは何故かクラッシック音楽のことだった。
小さい頃からピアノをやっていたものの、地方で生まれ育ったため初めてオーケストラの生演奏を聴いたのは中学3年生の時だった。同じクラッシック好きの同級生と地元の文化会館であったオーケストラの公演を聴きに行った。
演奏は大阪フィルで指揮は今は亡き朝比奈隆氏。凛とした指揮者の姿とその時の演目であったドフォルザークの交響曲第9番「新世界より」の演奏は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。素敵な音楽と接する時にいつも感じる、身体に音楽が奏でる波動が直接打たれるような感覚を覚えたのは初めての体験だった。
その時の指揮者の凛とした姿は憧れと共に生涯忘れられない思い出となった。その後、自分が朝比奈隆氏が卒業した大学に進んだこともあり、尊敬の念も重なって演奏後の喝采を浴びるあの時の指揮者の姿は今も忘れることがない光景である。
デジタルの恩恵で過去の演奏に接することが出来る今日。Youtubeで朝比奈隆指揮、大阪フィルの「新世界から」を聴いている。数十年前に自分が聴いたであろう演奏を聴きながら、腰痛がおさまったら残りの自分の人生で何が残せるのかを改めて考えている。