· 

民主主義の制度疲労

兵庫県の知事選については今なおネットメディアを中心に兵庫県に住んでいる訳でもなく何にも関わっていない方々の言説が日々報道され、いい加減うんざりの感が強い。こちらにいると多くの住民はこのことに口を閉ざし、もはや触れたくないという気持ちを強く感じる。

 

我が国において封建制から民主主義制度に移行したのは明治維新後であり、選挙による代表民主制の導入は自由民権運動の起こった19世紀後半である。日本において民主主義制度はまだ150年程度の歴史しかない。

 

その間、太平洋戦争期において軍部が権力を掌握し、事実上の民主政治が停止した期間があった。戦後に現在の普通選挙による制度は導入されてから今日まで80年である。

 

振り返ると日本における代表民主主義の制度はスタートから約70年の段階で一旦その機能を失った。そして戦後の再スタートからは既に80年が経過している。この国の国民性や民主制の導入経緯などの要因を考えると、現在の代表民主主義はもはや制度疲労を起こしているのではないか。選挙制度はもとより二元代表の地方自治制度についても新たな制度を模索していく必要があるのではないか。

 

そんな考えが日々大きくなっているこの頃である。